銀行に入社すると新人のうちから、管理職まで多くの資格を取得させられます。
資格を取得するために土日に勉強し、この資格を取得して意味あるのかなって思ったことはありませんか?
その中で銀行内でしか使えない資格もあれば、銀行内だけではなく転職後も活用できるような資格もあります。
結論、資格を取得しどう活かしていくかやどうなりたいかが重要で、資格だけ取得するだけでは意味がありません。また資格があるからだけで出世はできません。
この意識がないと資格だけ多く持っているが、実務で使えない人になってしまいます。転職においても資格より実務経験が重要視されますので、資格を取得した後にどう活かしていくかが重要になってきます。
今回の記事を通して、銀行員が取得する資格でおすすめなものや使えないもの、転職後も活かせる資格についてお話しします。
銀行員が取得しておすすめ資格
銀行員が取得しておすすめ資格は取得後も実務に活かすことができる資格です。
具体的には以下の資格がおすすめな資格です。資格が活かせる場面も一緒にお話しします。
- 日商簿記
- ファイナンシャルプランナー
- 宅地建物取引主任者(宅建)
- 中小企業診断士
日商簿記
日商簿記を取得すると財務分析や法人融資の審査で活かすことができます。日商簿記の中でも日商簿記2級の取得をおすすめします。
なぜなら、日商簿記では決算書や試算表が出来上がる前のお金の流れが仕分けを勉強することにより、理解できるようになるからです。
また日商簿記3級は入門レベルのため、2級であれば踏み込んだ内容も勉強できますし、1級になると勉強時間の確保が多くなるため、2級をおすすめしています。
例えば、法人先の格付や融資審査の時にも表面的な財務分析だけでなく、お金の流れわかることにより一歩踏み込んだ財務分析や粉飾のチェックなど行えるようになります。
日商簿記2級の取得をすると融資業務の中で活かすことができます。
簿記未経験者が簿記2級を取得するのには350~500時間の勉強時間が必要と言われています。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーを取得すると、銀行内での投信・保険営業に活かすことができます。こちらも2級の取得をおすすめします。
なぜなら、ファイナンシャルプランナーでは個人の資産設計から法人の事業承継等幅広く知識を学習することができ、営業時に活かすことができるからです。
また2級をおすすめするのは3級ではそこまで踏み込んだ内容はないことや銀行では2級保有者が多数いるため、2級を取得することをおすすめします。銀行員の中でも1級を取得する人もいます。個人的にはないよりあった方が良いと思いますが、それよりも別の自己啓発に充てたいと考えてしまいます。
例えば、個人営業であればライフイベントを踏まえた保険の提案や相続を切り口にした保険の提案等提案の切り口が増えますし、法人営業であれば事業承継などは社長からも相談される場面もあります。その際にファイナンシャルプランナーで学習した知識を活かすことができます。
ファイナンシャルプランナー2級を取得すると、銀行の営業で活かすことができます。
ファイナンシャルプランナー2級を取得するのには150~300時間の勉強時間が必要と言われています。
宅地建物取引主任者(宅建)
宅建を取得すると不動産関係の案件に強くなり、案件を獲得することができます。また不動産関係の融資において審査や手続き等に詳しくなります。
具体的には住宅ローンの案件や法人の社屋や工場建設の案件の獲得につなげることができますし、その際の融資審査において宅建の知識を活かすことができます。
なぜなら、宅建は不動産を仲介し売買するためには必須の資格であり、不動産取引の法令や説明事項等覚えないと取得はできず、不動産取引の内容に詳しくなります。不動産取引の知識があれば業者に対しても手続きを円滑に進められますし、審査においても重要事項説明書等が正しいのかどうかなど検証することができます。
業者からすれば、審査を通してくれる銀行や話がわかる担当者に案件をもっていきますので、宅建を取得し、その知識を活かせば住宅ローンや土地取得の案件が獲得できるようになります。
宅建を取得するのには300~350時間の勉強時間が必要と言われています。
中小企業診断士
中小企業診断士を取得すると法人営業や融資の審査に活かすことができます。
なぜなら中小企業診断士は7科目の試験があり、その中で財務・会計で財務分析や簿記の仕分けも学習します。また企業経営理論では中小企業の特性やマーケティングについても学習しますので、その知識を法人営業や融資の審査に活かすことができるからです。
例えば、企業が銀行に求めているものは自社の売上があがる情報や課題解決となる提案を求めています。その求めているものに対し、銀行のリソースを活用しいかに企業の役に立っていくかが大事ですので、情報提供や提案の幅が広がります。
中小企業診断士を取得するには1,000時間の勉強時間が必要と言われています。
銀行員が取得させられる資格で使えない資格
銀行業務検定
銀行に入行したらまず証券外務員と保険販売の資格を取得させられます。この資格は投信や保険を販売する際に必須の資格になりますので、絶対に取得しなくてはなりません。
その後に取得させられる銀行業務検定は銀行内でしか使えません。
具体的に法務、税務。財務があり、それぞれ2級までが必須となります。
銀行業務の細かい部分が試験範囲となり、勉強時間も確保しないといけませんが、取得した後も銀行内でしか利用できません。
一方、銀行業務検定は出世するのに必須な資格となっている銀行もありますので、最低限の勉強で取得をするようにしましょう。
資格が出世に影響するのか
結論、出世に必要な資格はあります。
例えば。銀行業務検定やファイナンシャルプランナー、内部管理責任者など銀行によって異なりますが最低限取得しないと出世できない資格はあります。
ただし、最低限取得した後は人事評価で出世できるかどうか決まってきます。その人事評価では営業成績やミスの有無などで評価されます。関連記事もありますので、見てください。
関連記事→地方銀行で出世するにはどうするの?給料はどうなるのか?についてのお話【体験談】
資格ではないが、持っておいたほうが良い知識
銀行で取得しなくてはならない資格ではありませんが、銀行の業務を行う上、この知識はあった方が良いと思いますでの、お話しさせていただきます。
株式や為替に関する知識
現在では金利収入が低下しており、支店で投信・保険の金融商品販売のウェイトが大きくなっています。株式や為替に関する知識があれば営業に活かすことができます。
なぜなら、投信や保険を提案する際に株式相場や為替相場が関わっており、購入するタイミングも含めて提案する際には株式相場がどういう要因で変動しているのか、為替相場がどういう要因で変動しているかなどお客様に説明しないと成約につながらないからです。
新聞やマーケットニュースで情報は仕入れますが、そもそもどういう要因で相場が変動するのかわかっていたほうが提案しやすくなります。
日頃のマーケットの情報に加えて、そもそもどういう理論で相場が変動するのか、勉強しておくと営業に活かすことができます。
マーケティングに関する知識
法人営業を担当している方はマーケティングに関する知識があると他行と差別化ができ、信頼を勝ち取ることができます。
なぜなら、企業が銀行員に情報を求めており、情報を提供する際にマーケティングの知識を活かすことができます。具体的には企業のビジネスモデルを把握し、企業の方向性に沿った情報を提供できるようになります。一歩踏み込んだ提案ができるようになり、他行と差別化につながるからです。
例えば、法人を担当していると社長と話をした際に、企業のビジネスモデルや主要事業をヒアリングを行います。その際にマーケティングの知識があれば、ターゲット層やアプローチ方法、場所や価格など詳細にヒアリングすることもできますし、企業の業績を推測する際にも活用できます。
法人担当はマーケティングの知識があると企業の深いところまでヒアリングでき、情報提供できるようになります。
転職後も活かすことができる資格
日商簿記
転職先が経理関係の職種であれば、日商簿記の資格を活かすことができます。
具体的に経理業務では通帳の取引や請求書を見て、仕分けを行います。その際に仕分けについて簿記の知識でカバーできますので、日商簿記の資格を活かすことができます。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは保険会社等の営業に転職する際に活かすことができます。
保険会社の営業も銀行と共通している部分で一時払いや終身保険を販売していきます。また医療保険や養老保険等多くの商品を販売し、手数料を稼ぐ必要があります。
その際にライフイベントに沿った提案をする際に、ファイナンシャルプランナーの知識を活かすことができます。
宅地建物取引主任者
不動産業界に転職する際には宅建の資格を活かすことができます。
不動産業界で営業をする際に宅建の資格を活かし、不動産の売買を行うことができます。銀行の融資関係の知識も活かすことができ、不動産業界に転職していく人も多いです。
まとめ
銀行に入社すると多くの資格を取得しなくてはなりません。
その中で、自分自身が資格を活かしてどうなりたいのか。また転職する際にも活かすことができる資格もありますので、進みたい方向性にあった資格を取得していきましょう。